発見! ダヴィンチ 2009年 東村アキコ特集
こんにちはさとるです。
今回は、
ダヴィンチ2009年12月号
「なんなんだ!
東村アキコ大特集」
についてお届けしたいと思います。
て、2009年(平成21年)!
今から10年前。
ちなみに今現在
バックナンバーやamazonなどで
購入できるか調べてみましたけれど、
ほとんど出回っておりません‥‥。
現在所持していらっしゃる方は、
家宝に決定です。
大切に保管をお願い致します!
というわけで、
全16ページを丸々紹介するわけにも行きませが、
どんな内容だったのでしょうか??
僭越ではございますが、まとめていきたいと思います。
(現在入手困難な本ですし、
ざっとでも中身を知りたいと思われる方のために読んで頂きたくまとめてみました…。拙いまとめにはなりますがどうぞお付き合いくださいませ。)
ちなみに私さとる10年前は34歳…。
あれ…
特になにも…
記憶が…
ない…(笑)
当時、デビューして10年。
既に売れっ子少女漫画家として
バリバリご活躍されていた
東村アキコ先生。
もっと頑張れただろー、さとるさん!(笑)。
アキコ先生の生き様目に焼き付けて
これからの日々もっと深く生きていくんだ!(笑)
※ 記事のみ一部引用させて頂き、記事中のお写真は紹介致しません。
(全7コーナー)
目次
◾︎ 表紙
◾︎ マンガよりもマンガ的半生
東村アキコ解体全書
(アキコ先生インタビュー 3ページ)
◾︎ 東村アキコができるまで
(アキコ先生のおいたち、
構成・文=東村アキコ/門倉紫麻)
◾︎ 東村アキコ作品 まるわかりガイド(4ページ)
東村マンガの原点はここ!
人間関係のユートピア⁉︎
『ひまわり〜健一レジェンド』
育児マンガはギャグマンガ!
腐女子の国へようこそ
『海月姫』
スペシャルインタビュー
◾︎ 我々は東村アキコを支持します!
工作員たちの熱きメッセージ
(アキコ先生へのメッセージ 2ページ)
福田里香(料理研究家)/杏(モデル・女優)/山崎ナオコーラ/たむらぱん(シンガソングライター)/三浦しをん(作家)/『ナタリー』編集長)/講談社『Kiss』編集長/講談社『モーニング』編集長/集英社『コーラス』編集長/集英社『ジャンプSQ』編集長/吉田豪(プロインタビュアー)/掟ポルシェ(ミュージシャン)/蜷川実花(写真家)
◾︎ 締切日はド修羅場な一日⁉︎
「仕事場密着レポート」
(2ページ)
◾︎「スナックアキコ」の
お悩み相談室
(2ページ)
(全7問のうちの一問)
Q.「歳をとって若さの代わりにどんな素晴らしいものを手に入れる事ができるのか?(21歳男性)」
A.「男はは27から28でやっと大人になる。歳をとるほど余計な力が抜けて楽しくなっていくんです」
描きおろしマンガ
(2ページ)
「東村アキコオールスター 大感謝祭」
全16ページ、とっても盛りだくさんな内容です。
それでは、おまたせ致しました。
私の独断と偏見で、全コーナーのうち
おすすめを4つほど
紹介させて頂ければと思います。
1、
『東村アキコ解体全書』
たくさんの素晴らしい作品を量産し、
読者に笑顔や感動を届け続けている
アキコ先生。
私この歳(44歳です)になり、
新しい趣味として、絵を描く時間が増えてきております。
なのでこのコーナー、なるほどーと
何度も読み返してしまいました!
そして、
今まさに「モノづくり」に励む方にも、
ズシンとくるものがあると思います。
そんな珠玉のお言葉の数々、
皆さまも是非読んでみて下さい。
◾︎「アキコ先生のスタイルは小学校時代に出来上がっていた」
小学校5年生の時に描いたマンガ。
「クラスの友達を全員登場させてブルマがなくなった、みたいなことを描くドキュメンタリーで。表紙だけおしゃれな絵。オチへの持っていき方、群像劇…。今とまるで一緒」
「究極にリラックスした状態でネームに向かうんですよ。
別におもしろくなくてもいい、思いついたことをそのまま描くんだという気持ちで」
「自分の得意分野にマンガのほうを引き込めば、早く量産できると気づいた。
〜 楽だと思うルートを見つけて、そっちで徹底的にやればいいだろう、と」
◾︎ 東村アキコ先生の「絵」について
アキコ先生初の投稿作品で、
「絵が雑」と評価を下されたことについて…
「だいぶ丁寧になったんですよ!
でも私にはカチッとした絵を描く才能がないんですよね。
『丁寧に描けばうまくなるよ』って言われるのは『足をもっと早く動かせば早く走れるよ』っていっているようなのもので。
〜 それと、無理にていねいにかこうとすると絵が止まるからいやなんだ!と編集さんと大喧嘩した事もあります(笑)。
自分で止まっていると思うときには、必ず描き直しますね」
「私たちみたいな大人になってから描き始めた人は、性格俳優というか…一髪芸人みたいなものなんです!
絵の綺麗さで勝負できるはずがない」
「だってマンガなんて紙に墨汁で絵を描いているだけ、机の上だけのことなんだから、好き勝手やっていいはず。
文章は気をつけるべき表現もあるけど、絵はもういいじゃん自由で!って思うんですよ」
東村アキコ先生の
「空気読み & 頑固スタイル」
「いやあ、すごく弱気に自分を貫いているだけというか…。ヘタレ自分貫き、みたいな感じですかね(笑)。〜 すごく小心者なんです。自分が傷つかないように、楽なように、貫いているだけですよ。とにかく気楽に(笑)。
いやいや、先生の絵凄いの知ってますんで‼︎
「必要なものは残し、無駄は全て省く」
抜群のバランス感覚を持つアキコ先生だからこそ成し遂げられる「技」ではありますが、
これさえできれば、自分ももっと上達するなーと、ちょっと自信いただきました。
2、
「東村アキコができるまで」
続きまして2つ目。アキコ先生のおいたち編です。
私さとるが注目!しましたのは、
アキコ先生ご自身が「構成&文」を
ご担当されている、というところですね。
先生のご本人の言葉や構成なので、
エピソードによりリアリティがあると思うのです。
いくつかここに紹介させて頂こうと思います。
〜「幼少期」より
「疑り深い子供でしたね。サンタが本当にいるか、お母さんに1ヶ月間詰問し続けたんです」
〜小学校時代 より
小学校時代から転校が多かったアキコ先生
「前の学校で先に習った勉強もわざと間違えたりして。アニメの「小公女セーラ」で、セーラがフランス語の授業で、セーラがフランス語の授業で調子に乗ってハブられるのを見ていたので(笑)」
岡田あ〜みん先生にはまっていた12歳。
当時流行っていた光GENJIとはなんぞやとテレビをつけたら、映っていたのは『輝きながら』を歌う徳永英明。
そして恋におちる。
「影がある人が好きなんだと思う。幼稚園のときは、各地のスーパーを回っているシバ漬け販売の人を好きになった。」
中学〜高校時代 より
(16歳)宮崎県の高校にご入学。
美術部に入り、クラゲの絵にはまり、17歳美術部卓球部を結成。
毎日3時間以上の猛特訓のすえ、クラスマッチで本物の卓球部の先輩を倒し、スマッシュの瞬間が卒業アルバムに掲載される。
「鹿児島に当時あった小さい水族館でクラゲを見て感動。
クラゲを好きな、ちょっと人と違う自分も好き、みたいな自意識過剰な人に。
オタクの第一歩です。全然もてなかった(笑)。」
〜 大学時代より
(19歳)古本屋でバイト。
「静かなるドン」「Bar レモン・ハート」などを読み、マンガに詳しくなる。
こんなに先が読めない
フリーダムなマンガがあるのかとショックを受ける」
「映画研究会と民族音楽研究会に入り、
映画を撮ったりサンバを踊ったりする。
〜専攻は油絵科だったが、
油絵の技法が難しくて肌に合わず、すぐに嫌になる」
就職〜デビューより
「(21歳) 宮崎で美術教師になる話があったが直前でポシャり、
父に泣きつき父の会社に契約社員で入れてもらう」
「(22歳)土日を利用して初めて描いたマンガを『ぶーけ』に初投稿。見事受賞したものの、「絵が雑すぎて掲載できない」と言われる。」
〜専業マンガ家に より
「(25歳)さすがに忙しくてこのままじゃ体を壊すと思い、思い切って会社を辞める。大好きな職場だったので、本当に悲しかった」
「(26歳)仕事が増えて宮崎でやっていくのはちょっと厳しい。でも東京に住むほどお金はない、とあいだを取って大阪に。」
(27歳) 「ヤングユー」で『ドライアイス』『ゑびす銀座天国』を連載。
(29歳)ご出産
(30歳)「モーニング」にて、『ひまわりっ〜健一レジェンド〜』連載開始。「コーラス(現『Cocohana』」)にて
『ママはテンパリスト』連載開始。
(32歳)「kiss」にて『海月姫』連載開始
3、「工作員たちの熱きメッセージ」
東村アキコを、作品を、その世界観を
こちらのコーナーからは、
集英社「コーラス(現『Cocohana』)」編集長K氏による
アキコ先生評をご紹介致しましょう。
「東村作品の魅力」
①躊躇や迷いがない。
②猛スピードで走っているのに、周囲の景色も正確にスケッチできている。
③メッセージ性などないようで、実はページの奥の方にそれは隠されている。
④そういう自作の事を本人もよく分かっている。クールな疾走感の魅力。
①のアキコ先生に「躊躇や迷いがない」というのは、
前述の「東村アキコ先生解体全書
〜先生のスタイル」の話と
関わってくると思うのですが、
蓄積されたものも膨大、
それをバランスよくアウトプットする能力は 名人!の域にあると
言わざるを得ません!
余談ですが、こちらのK編集長。
同号のアキコ先生のコラム
「ズーヒルギロッポンでまちあわせ」でもご紹介されておりまして、
とにかく
話がでかい
そうです(笑)。
アキコ先生が作品についてK氏に
相談に乗ってもらった際に、
「主人公が神に恋するってどう?」とか、スケールがいちいちデカすぎて参考にならない(笑)というエピソードが紹介されておりました。
(私は凄い素敵な設定だと思いました!)
4、
「仕事場密着レポート」
次はアキコ先生のお仕事ぶりを事細かに示した見応えのあるコーナーです。
アキコ先生のご紹介で
よくお見受けするフレーズでもありますが、
「1度ペンを握った東村さんのスピードは超高速」
そんなアキコ先生。
1日をどのように過ごされているのか?
2019年現在と2009年当時。
多少の違いはあれど、大きく違う事もないはず。
それではいってみましょう。
9:00 ごっちゃん(当時4歳)を預けに保育園へ
10:30 アシスタントさんたちが来て仕事開始
この日は、『モーニング』で週刊連載中「ひまわりっ健一レジェンド〜」の締切日
18ページをなんと1日で仕上げる予定のようです。
掲載されているお写真から推測!してみると、
インスタなどで見かける
現在のお仕事場とは別のようです。
そしてそして
すっかりおなじみ、
おだんごヘア&
ライトブラウンの
おしゃれなジャージ姿をご披露!
12:00 ひと段落ついたら全員そろってランチ&休憩
「仕事が詰まっているときは出前に頼るが、普段はアシさんがキッチンで手料理を作ってくれる」
当時のアシスタントさんの人数は、7〜8人(記事より)
13:00 再び仕事タイムへ
14:30東村さんのペースもますますヒートアップ
現在の製作のメインは、
iPad Proにダウンロードされた
メディバン(イラストソフト)と思われますが、
この取材では
ペンとインクの「完全手書き環境」であったことがわかります。
仕事場にPCらしきモニターが一台だけ確認できますが、
先生のデスクには手書き用の画材が
ペンスタンドにぎっちり詰まっております。(時代を感じさせますねー)
16:00 ちょっと一息お茶の時間
この日いらしゃっていたアシスタントさんの数はおそらく5名(お写真のテーブルに並ぶお皿の数を見ると…)
それからーーー
「ほぼ完成間近の原稿
朝には鉛筆書きのネームだけだった『ひまわりっ』の原稿も、
夕方にはベタもトーンも貼られてほぼ完成形に」
17:00 担当編集者さん来訪 打合せ
18:00 ごっちゃんのお迎えにでかける東村さん
19:00 仕事終わり
「いよいよ原稿の最後の仕上げ。
基本は19時、どんなに遅くとも20時までには絶対に入れます。」
以上、 アキコ先生の1日を
まとめさせて頂きました。
以前
「東村プロライブ」にお伺いした時に、
原稿のお仕事を夕方までされて、
その後このライブ会場に来たと
いうエピソードをおっしゃっていました。
毎日10時半から19時まで。
月曜から金曜日までお仕事をされて、土日はお子様のためにしっかりおやすみを取る。
やる時はやる。休むときは休む!
この生産性の高い徹底した時間管理。
我々も見習いたいものです。
まとめ
↑ 『天才現る』アキコ先生の最初の投稿作の講評。ぶ〜け 短編部門。
萩尾望都 対談集 1990年代編『物語るあなた 絵描くわたし』(2012河出書房)より
「東村アキコ作品 まるわかりガイド」
のコーナーでご登場された
漫画家の萩尾望都先生の著書
『物語るあなた 絵描くわたし』において、
お二人貴重な対談が掲載されております。
お互いの印象として、
(東村アキコ先生の)萩尾先生の作品評
「絵、ストーリー緻密さが特徴」
(萩尾先生の)アキコ先生評
「見たり聞いたりしたことを面白くかける漫画家」
と、この対談では記されておりました。
共通しているのは、
お二人ともお互いをリスペクトされており、
素晴らしい漫画家で、
マンガの世界が大好きで、
読むのも描くのも大好き。
そんな
お二人をはじめ、
今まさにたくさんの漫画家の手により、
数々の作品たちが生み出されようとしています。
今回、
制作現場の裏側を知る事ができ、
ますますマンガ世界へのワクワク感が
高まってきました。
さあ皆様、今宵もマンガよも。